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ハエが食物を探し出すための「足」で味わう仕組みを解明

 ショウジョウバエの「足」にある味覚神経細胞には、「食卓につく」ためと「食事を始める」ための2種類があると、東北大の谷本拓教授らの研究グループが英科学誌「Nature Communications」
で発表した。

 昆虫は口のほか、肢や食道、翅などさまざまな部分で味を感じることができる。これら末梢の味覚神経から中枢神経へ刺激が伝えられて処理されるが、これらの神経が食行動にどのような作用を及ぼすかについてはよく分かっていない。

 研究グループは、ショウジョウバエの甘味受容体神経のうち、「足」にある神経細胞が食物を探し出すために必須であることを明らかにした。ハエが肢を擦り合わせるのは、食物を探すのに重要な器官を清潔に保つためだという。

 また、これらの神経細胞は2つに分類でき、足から脳へ情報を伝える細胞は食物を食べ始めるよう働きかけ、一方で腹神経索(脊髄に相当する器官)へ向かう細胞は、食物を見つけたときの歩行や方向転換をコントロールしていることがわかった。

(via 東北大学