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イチジクのゲノム解読に世界で初めて成功、新品種の開発に期待

世界で初めてイチジクのゲノム解読に成功したと、かずさDNA研究所などの研究チームが発表した。雌雄株の決定に関わる遺伝子候補を決定し、識別するためのDNAマーカーを開発した。新しい品種の開発につながると期待される。




イチジクは世界で最も古い栽培植物とされており、さまざまな食べ方に適した品種が開発されている。

日本には江戸時代に「蓬莱柿」と呼ばれる品種伝来したが、その後に国内で交配によって育成された品種は「とよみつひめ」と「姫蓬莱」に限られる。

研究チームは、日本最古のイチジク品種である「蓬莱柿」のゲノムを解析して、約2億4800万塩基対を決定した。推定される遺伝子数は約36000個。

イチジクは外観から雌雄を判別することが難しく、結実した果実を採取して観察する必要がある。

しかし、果実ができるまで2から3年かかるため、効率的に品種開発するには幼苗期に雌雄を判別する技術が必要だった。

そこで研究チームは、イチジクのゲノム解析の結果から雌雄株の決定に関わる遺伝子候補を同定し、雌株と雄株を識別するためのDNAマーカーを開発した。