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わずか10日間の糖質制限で糖尿病やメタボの数値に変化

砂糖の摂取

糖尿病やメタボが気になる方に朗報かも知れません。糖質制限をした食事をわずか10日間続けるだけで、コレステロールや血圧、インスリン濃度などの数値が改善されるという研究結果が報告されています。




カリフォルニア大学の研究チームは、ラテン系アメリカ人およびアフリカ系アメリカ人の子どもで、1回の食事で砂糖15%以上、果糖5%以上を摂取する「高砂糖消費児」を対象に実験しました。被験者は体格指数(BMI)のZ値が1.8以上の肥満で、さらに少なくとも1種類以上のメタボリック症候群の症状がある子ども(8~18歳)43人です。

被験者の子どもたちには、「糖質含有率10%以下のでんぷんを含むメニュー」を10日間摂取してもらいます。タンパク質や脂質については変更していません。糖質のみを減らしたメニューです。また、摂取カロリーはこれまでの食事と同じになるように調節しました。

実験後、被験者の子どもたちの健康状態を測定したところ、LDLコレステロール値で平均10ポイント、最低血圧で平均5ポイント、トリアシルグリセロールは33ポイント減少したという。さらに、糖尿病発症リスクの指標となる血中インスリン濃度も減少傾向が確認されました。

研究チームのRobert Lustig氏は「メタボリック症候群の子どもの健康レベルを、わずか10日間だけ糖質を制限することでカロリー摂取量や体重に影響を与えることなく向上させることがわかった」としています。

たった10日間の食事内容を変更するだけで、生活習慣病である糖尿病やメタボリック症候群の症状改善に効果がある可能性が示されました。 

(via Gigazine image by Daniel Horacio Agostini