パーキンソン病の症状は運動障害が主だが、認知症を発症するリスクも高く8年間で患者の約8割が認知症を発症したとの報告もある。研究グループは認知症を発症していないパーキンソン病患者53人を対象に、陽電子放射断層撮影装置(PET)を用いて脳内のブドウ糖代謝を検査して3年後の認知機能や運動機能の変化を調べた。その結果、PET検査で側頭葉、頭頂葉、後頭葉などの代謝が低下していた患者は3年後に認知機能や運動機能が著しく悪化していたという。病気の初期段階において大脳新皮質になんらかの異常が発生して急速に症状が進行した可能性がある。
森教授は「長い期間追跡したことで症状の変化がより詳細に分かった。脳の検査で症状の進行を予測できれば、発症を遅らせる薬剤の選択にも工夫ができる」としている。
参考:河北新報