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ビフィズス菌サプリの効果、便を使って解明 バイオベンチャーの「メタボロゲノミクス」

 ビフィズス菌のサプリメントを摂取したひとの便を解析することで腸内環境への影響を調べる研究を、バイオベンチャーの「メタジェン」と医薬品製造の「森下仁丹」が共同で開始する。世界的にも例のない研究だという。

 メタジェンは今年3月に慶応大先端生命科学研究所の福田真嗣特任准教授らが設立したベンチャー企業で、独自開発の「メタボロゲノミクス」技術を使って便を解析することで健康状態を評価する「ふん便郵送解析サービス」を事業の柱としている。

 サプリメントは1993年に森下仁丹が発売した「ビフィーナ」を使う。胃酸に溶けないカプセルをつかうことで生きたビフィズス菌を腸まで届けることができる。腸内細菌群「腸内フローラ」を良好に保つことで便通を改善する機能性表示食品として販売している。

 研究では、数十人の被験者にビフィーナを使用してもらい、摂取前と接種後の1週間ずつの便をメタジェンに郵送する。便をメタジェンのメタボロゲノミクスで解析することで、ビフィーナ接種後の腸内における代謝産物や細菌を調べて効果を科学的に解明する。

 福田社長は「共同研究は企業が腸内環境の重要性に目を向ける契機になる。事業を開始できた点でも大きな意義がある」としている。

参考:河北新報