杉田玄白の「解体新書」の原本「ターヘルアナトミア」の現物が、三重大学医学部で一般公開された。同大の成田正明教授が昨年購入した私物だという。
「ターヘルアナトミア」は1722年にドイツ人医師のクルムスが著した解剖書で、ラテン語、オランダ語、フランス語に翻訳された。杉田玄白はオランダ語版を翻訳して「解体新書」として1774年に出版した。
成田教授は、昨年3月に医学専門の古書を扱う業者に紹介されて購入したという。
購入後に同大の医学部生に「いつでも見に来ていいよ」と呼びかけたが見に来たのは数人程度だった。そこで、多くの人に見てもらおうと一般公開に踏み切った。
公開されたのは、1732年初版のラテン語版を第二版として1748年に出版したもの。全215ページの活版印刷。
成田教授は「解剖学は医療の基本。昔から変わらない部分や、今ではできない解剖方法もあるので、原本を見て少しでも解剖学に興味を持ってもらえたら」と話している。
(via 伊勢新聞)