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イヌ用の人工血液を開発 ヘモグロビンをアルブミンで包んで赤血球を代替

イヌ用の人工血液

 イヌ用の人工血液を、中央大の小松晃之教授らの研究グループが開発した。ヘモグロビンをイヌ由来の血清アルブミンで包み、赤血球の代替物として機能することを確認したという。

 国内では犬猫の飼育頭数が増加してペットの医療に対する需要が高まっている。動物の輸血の頻度も増加傾向にあるが、現状では動物用血液バンクが認められておらず、獣医師が自分で輸血液を入手する必要がある。

 研究グループは、遺伝子組換え技術を用いてイヌ由来の血清アルブミンを酵母で増やして抽出した。その後、ウシの赤血球から取り出したヘモグロビンをイヌ血清アルブミンで包んだクラスター(ヘモアクト-C)を作製した。

 ヘモアクト-Cは表面がイヌ血清アルブミンで覆われているため、イヌに投与しても副作用はないという。

 今後は、イヌに対して人工血液の有効性や安全性を検証し、5年後をめどに実用化目指している。

(via ニュースイッチ