バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 5.15 Wed

ALSの原因タンパク質の凝集をRNA分子が抑制する

TDP43とTDP25の封入体形成

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因となるタンパク質の凝集がRNA分子で抑制されることを発見したと、北海道大の金城政孝らの研究グループが英科学誌「Scientific Reports」で発表した。ALSの進行を抑制する治療薬の開発につながると期待される。

 ALSでは、タンパク質「TDP43」やそのカルボキシル末端断片が神経細胞内で封入体を形成することが知られている。

 研究グループは、蛍光イメージング法と蛍光相関分光法を用いて、核内にあるTDP43が切断されると速やかに細胞質へ移行するを突き止めた。さらに、そのカルボキシル末端断片「TDP25」のみが細胞質で凝集して封入体を形成しやすいことがわかった。

 また、TDP25に結合するRNAが細胞内にあり、このRNAがTDP25の凝集体形成を抑制することもわかった。このRNA分子が新たなALSの進行抑制薬となる可能性があるという。

(via 北海道大学