バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 5.22 Wed

酵母、カビなど約120の真核微生物のドラフトゲノムを解読して公開

 酵母やカビなど真核微生物約120菌株について、理化学研究所バイオリソースセンターの研究チームが全ゲノムの塩基配列の概要(ドラフトゲノム)を解読して国立遺伝学研究所のデータベースで公開した。

 これまで、基礎的な学術研究や産業利用で欠かせない代表的な微生物種についてはゲノム解読が進められてきたが、ごく少数の種に限られていた。

 研究チームは、同センター微生物材料開発室が保存する真核微生物のうち、研究材料として扱われている約120菌株を選び、ゲノム解読を実施した。

 その結果、得られたドラフトゲノムから各菌株平均約9000個の遺伝子が存在することが推測された。

 解読した菌株は未利用バイオマスからのエネルギー生産、環境汚染の原因物質の分解、食品生産、あるいは真核生物の進化や生態の解明など、広い研究分野での利用が期待される。

 今後は、ゲノム配列上の遺伝子領域予測や、その遺伝子の機能予測も加味したデータもホームページ上で公開していく予定だという。

参考:理化学研究所