メタボライトの新規リアルタイム・モニタリング手法を開発

2016年3月22日　バイオニュース／ニュース，

　名古屋大と島津製作所は共同で、新規イオン化法「探針エレクトロスプレーイオン化法（PESI）」と「タンデム質量分析法（MS/MS）」を組み合わせた「PESI/MS/MS」による内因性代謝物（メタボライト）の直接分析法を開発した。

　近年、メタボライトの網羅的開発法「メタボローム解析（メタボロミクス）」の応用分野が拡大しているが、生体内での変化を正確に捕捉するために前処理操作が不要な分析手法の開発が求められている。

　今回、PESIと呼ばれる「鍼灸針」を利用した新規イオン化法とタンデム質量分析計を組み合わせることで、肝臓から直接メタボライトを分析する手法を開発した。

　開発した手法を「生きたマウス」の肝臓に応用して、エネルギー産生に関わるメタボライトの変化をリアルタイムでモニタリングすることに成功した。

　動物における代謝異常の原因探索や、植物のリアルタイム・モニタリングへの応用など、広範囲の研究分野に展開すると期待される。

参考：名古屋大学