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早産児の細菌感染症の早期診断に活用できる基準を作成

 早産児の細菌感染症の早期診断に活用できる新たな基準を作成したと、神戸大の森岡一朗特命教授らの研究グループが科学誌「Scientific Reports」で発表した。早期の診断と治療によって、早産児の「後遺症なき」生存につながるという。

 早産児は免疫機能が未熟なため、細菌感染症に罹患すると死亡やその後の発達に悪影響を及ぼす可能性が高い。そのため、早産児の細菌感染症の早期診断に活用できるマーカーの開発が求められていた。

 研究グループは、血清マーカー「プロカルシトニン」に着目し、新生児283人を調査した。

 その結果、正期産児はプロカルシトニンの数値が出生後一時的に上昇した後、生後5日までに成人や小児の正常基準値0.1ng/mLまで戻ったのに対し、早産児では生後9週までかかることがわかった。

 この結果をもとに基準曲線を作成し、感染症を発症した3症例に基準を当てはめたところ、いずれも95パーセンタイル値の曲線を上回ることが明らかになった。

参考:神戸大学