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糖鎖の折れ曲がり構造の可視化に成功、レクチンと結合して揺らぎを止める

 形に揺らぎのある糖鎖をタンパク質「レクチン」と結合して固定することで、折れ曲がった状態を原子レベルで可視化することに成功したと、理化学研究所の山口芳樹チームリーダーらの研究グループが科学誌「Scientific Reports」で発表した。

 糖鎖は生体内で細胞同士の情報伝達やタンパク質の機能調節など重要な役割を果たす。糖鎖は一般的に柔軟な構造をとり、非常に速い速度で形を相互変換するため、糖鎖の形を実験的に捉えることは困難だった。

 研究グループは、糖鎖を特定のレクチンと結合して揺らぎを止め、X線結晶構造解析やNMR解析によってその折れ曲がり構造を原子レベルで可視化することに成功した。

 糖鎖の形の揺らぎや機能の理解、または糖鎖とタンパク質の相互作用などの解明につながると期待される。

参考:理化学研究所