バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 4.29 Mon

ペットにマダニ対策 石川県内、動物病院に相談増加 付け薬などで予防

 今年に入り、マダニが媒介するウイルス感染症による死亡例の報告が相次ぎ、石川県内 の動物病院でペットのマダニ対策の相談に訪れる飼い主が増えている。屋外で犬や猫に付 着して家庭に運ばれる可能性があり、専門家はブラッシングやマダニが付着していないか 点検するなど、家庭でできる予防法を実践するよう注意を呼び掛けている。
 感染症は「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)で、ウイルスを保有するマダニに かまれることなどで感染する。発熱や下痢、血小板と白血球の減少が特徴で、重症化する と死に至ることがある。厚生労働省が1月に、山口県の女性1人の死亡を発表して以降、 国内では10人の死者が確認されている。

 みやの動物病院(金沢市)では今年に入り、ペットのマダニ予防を相談する来院者が例 年と比べて2~3割増えた。予防には犬や猫の首筋に垂らすだけでマダニやノミを駆除し 、効果が約1カ月間続く付け薬が主流で、飲み薬もある。

 同病院によると、湿度が高くなる梅雨時期はマダニが活動的になる。草むらなどで散歩 中の飼い犬に付着することがあるという。自宅でできる予防法として「小まめにブラッシ ングする」「顔や脇、胸などにマダニが付いていないか点検する」などを説明している。

 ののいち動物病院(野々市市)では、マダニの予防や相談で来院した飼い主の多くが、 これまでマダニ対策をとっていなかったとし、付け薬による予防を勧めている。

 手取フィッシュランドの総合ペットショップ「P-ぽ」(金沢市)では、ペットの首筋 に塗る駆除薬やノミ取り用のシャンプーをそろえている。担当者は梅雨入りを控えて今後 、需要が伸びると予測している。

 みやの動物病院の宮野浩一郎院長は、飼い主がマダニにかまれた場合は、無理に引き抜 こうとするとマダニの体の一部が皮膚内に残ることもあるとし「かまれた場合は速やかに 医療機関を訪ねてほしい」と話した。

 出典[北國新聞]