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大腸がん、高確率で判別 新手法の血液検査 三重大など

 三重大(津市)は三日、同大大学院医学系研究科の問山裕二助教らの研究グループが、血液検査により大腸がん患者を高い確率で判別できることを発見したと発表した。米国の病院との共同研究で、先月十九日、米医学誌に論文が掲載された。

 大腸がんの検診方法としては、便に血が混じっているかどうかを調べる便潜血検査や血液を調べる腫瘍マーカーの検査が使われている。だが、いずれの方法も大腸がんかどうかを正確に診断するのは難しく、検査の信頼度について課題があったという。

 研究グループは、大腸がんや大腸ポリープの組織から、「マイクロRNA―21」と呼ばれる微小のRNA(リボ核酸)が血液中に分泌されていることを発見。

 日本人二百八十二人の血液中の血清を調べたところ、「マイクロRNA―21」が健康な人と比べて、大腸ポリープ患者は約二倍、大腸がん患者は約五倍になった。この血液検査で、大腸ポリープ患者を82%の確率で、大腸がん患者を92%の確率で診断できたという。

 問山助教は「極めて高い確率で診断できる上、簡単で短時間の測定が可能。大腸がん検診に優れている」と述べ、実用化に期待を示した。

 出典 伊勢新聞