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バイオとナノとチョコレートが融合? 「DNAショコラ」という名のプレミアムなチョコレート

DNAショコラ

DNAショコラ(スポニチ)


 バレンタインデーが近づいてきました。今年はなんと土曜日ということもあり、職場などでの義理チョコをどうするかなど、いわゆる「バレンタインデー土曜日問題」がひそかに取り沙汰されています。そんなザワついた中でも全国のチョコレート職人たちはいま多忙を極めているわけですが、世界に誇るショコラティエが一風変わったチョコレートを開発しました。その名も「DNAショコラ」。




 新聞やテレビでもお馴染みの辻口博啓(47)さんは、フランス・パリで開催される世界最大のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」の品評会で2年連続で最高位を受賞したショコラティエです。その辻口さんが今年出品したのが、人間のDNAに語りかけるというコンセプトをもつ「DNAショコラ」。

 昨年10月の「サロン・デュ・ショコラ」で金賞を受賞した作品ですが、なんと完成まで8カ月を要したそうです。

 「人間が初めて口にするもの。そこに、もう一個食べてみたいという懐かしさがあるんじゃないか」

 思い立ったのは、なんと「母乳」だったという。

 そこで母乳の成分を調べてみると、うま味成分として日本人にはお馴染みの物質「グルタミン酸」が多く含まれていることがわかったそうです。では、自然界でグルタミン酸が最も多く含まれている素材は何か。「昆布」でした。

 「DNAショコラ」には昆布からとったダシが含まれているそうです。ただし、ダシを取るときに60度以上に挙げると昆布のえぐみが出てしまいうまくない。そこで水出しコーヒーの要領で、富士山の軟水に「真昆布」をつけてダシをとる手法を思いついたとのこと。

 厳選したカカオに真昆布から抽出したグルタミン酸を合わせると「カカオ本来のうま味がさらに際だった」という。さらに、最先端技術を使ってナノ化させたカカオを5%加えて粒子の大きさに違いをつけることで、口どけが滑らかになったそうです。

 DNAに語りかけて、懐かしさを感じさせてくれるという「C.C.C. DNAショコラ」。4粒で税込み1901円。少々ぜいたくではありますが、8カ月かけて開発された特別なチョコレートを特別な日にどうですか?

参考:スポニチ