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学習や記憶力を高めるために海馬グリコーゲン量を増加する方法

スポーツでは筋肉に蓄えるグリコーゲンの量を増加させて持久力を高める「グリコーゲンローディング」と呼ばれる手法があります。実は学習や記憶をになう脳の海馬でも、グリコーゲン量を増加させて脳のパフォーマンスを向上させることが可能であることがわかってきました。

運動持久性をアップさせるグリコーゲンローディング

持久性のアスリートでは、試合から1週間前のコンディショニング法として「グリコーゲンローディング」と呼ばれる方法が知られています。

これは、高糖質食と運動を組み合わせることで筋肉の貯蔵エネルギーであるグリコーゲン量を増加させて、持久性のパフォーマンスを向上させる手法です。

一方、脳においてもグリコーゲンは神経細胞の必要なエネルギー源であり、学習や記憶をになう「海馬」においては長期記憶の形成にも必須のエネルギー源となっていることがわかっています。

そして、運動の持久性を向上させるグリコーゲンローディングが、脳の海馬においても有効であって、海馬グリコーゲンは認知機能を高めてくれることも明らかになっています。

筋肉の持久脳力向上では1週間前の高糖質食や運動がグリコーゲン量の増加に必要であることがわかっていますが、では海馬グリコーゲンを増やすためにはどのようなコンディショニングが必要なのでしょうか。

認知能力を高める海馬グリコーゲン量の増やし方

筑波大の研究グループは、ラットを用いた実験で海馬グリコーゲンの増加への影響を調べています。

まず、グリコーゲンローディング(GL)ラットモデルに高糖質食を与え、激しい運動をさせました。それから3日間は軽い運動を課して最後の3日間は休養を与えるという1週間のGL実験を行いました。

このマウスのグリコーゲン量を調べたところ、筋のみならず海馬と視床下部においてもグリコーゲン量が増加していることがわかりました。

さらにこのラットモデルを用いて、高糖質食と運動それぞれが筋や脳のグリコーゲン量に与える影響を詳しく調べました。

その結果、筋のグリコーゲン量を増加させるためには運動とともに高糖質食の摂取が必須であったのに対して、脳の海馬グリコーゲン量を増加させるためには初日の激しい運動は必須だが高糖質食は必須ではないことがわかりました。

研究結果

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研究のまとめ(筑波大)

スポーツコンディショニングである「グリコーゲンローディングでは、1週間前の高糖質食摂取と運動の組み合わせが重要です。

研究からは、グリコーゲンローディングは筋肉のみならず脳の海馬や視床下部のグリコーゲン量も増加させることができることがわかりました。

また、海馬グリコーゲン量を増加させるための条件を検討したところ、高糖質食は必要ではなく、初日の激しい運動だけが必要であることも明らかになりました。

海馬は学習や記憶など、認知機能を担うことから、海馬GLによって海馬グリコーゲン量を増加させることは、試験やプレゼンなどで高い認知パフォーマンスを発揮したいときに有用な手法となる可能性があります。

参考:1週間後の海馬グリコーゲン量を高める運動・栄養戦略を開発!

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