よく噛んで食べる方が食後のエネルギー消費量(食事誘発性体熱産生量)が増加すると、東京工業大の林直亨教授らの研究グループが科学誌「Obesity」で発表した。咀嚼を基本とした減量手段の開発に役立つと期待される。
早食いが過食をもたらすことで体重が増加する可能性が示唆されているが、一方で一定量の食事摂取の場合に食べる早さがどのように影響を与えるかについてはよくわかっていなかった。
研究グループは、被験者12人にパスタ、ヨーグルト、オレンジジュース(計621kcal)を与え、できるだけ早く食べる試行とできるだけよく噛んで食べる試行とを行った。
その結果、早く食べた後の3時間の食事誘発生体熱産生量は平均15kcalだったが、よく噛んで食べた時は30kcalと増加することがわかった。
一方、研究グループは食後15分間ガムを噛む試行と噛まない試行も実施した。
ガムを噛むことによる食事誘発性耐熱産生量は咀嚼後40分程度まで増加したが、総計では平均6~8kcalと、食べる早さによる産生量の差を埋めるほどの効果はなかった。
(via 東京工業大学)