核酸を逆方向に伸長させる反応の現場をX線結晶構造解析法で捉えた

2016年4月5日　バイオニュース／ニュース，

　核酸を逆方向に伸長させる反応の現場をX線結晶構造解析法ではじめて捉えることに成功したと、北海道大の姚閔教授らの研究グループが科学誌「Science Advances」で発表した。

　DNAやRNAの鎖は決まった方向にしか伸ばすことができない。しかし損傷を受けた転移RNAを修復する「TLP」と呼ばれる酵素は、通常の合成方向とは逆向きに伸ばす機能をもつ。

　研究グループは、TLPが転移RNAの鎖を逆向きに伸ばしている現場をX線結晶構造解析法で捉えることに成功した。その結果、核酸の鎖の曲がりを利用した、正・逆方向の反応切り替え機構が明らかになった。

　核酸を逆方向に伸ばすために必要な仕組みやその分子機構の詳細が明らかになったことで、なぜ自然は逆方向の伸長を選択しなかったのかの謎の解明に大きく前進した。

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