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発酵パパイア粉末が低下した免疫能を回復させる

発酵パパイア粉末が低下した自然免疫能を回復させることが確認されたと、九州大などの研究チームが科学誌「プロスワン」で発表した。高齢者の感染症予防や腸内環境の改善に役立つと期待されるという。




未熟果パパイアはビタミンやポリフェノール、フラボノイドなどを多く含み、特にその発酵物は高い抗酸化活性や抗腫瘍活性、免疫調整作用があることが報告されている。

研究チームは、発酵パパイア粉末を高齢の経管栄養補給者に30日間投与したところ、末梢血単核細胞の腫瘍細胞溶解能が回復することが確認された。

また、投与の前後における腸内細菌を調べたところ、発がんリスクを高めるとされる細菌などが減少することもわかった。

一方、発酵パパイア粉末の成分を分析したところ、高分子のポリフェノール類は含まれておらず、その分解物である低分子のフェノール酸類が検出された。

そのため、消化管から吸収されにくい高分子のポリフェノールが発酵によって低分子化されることで、免疫系などに対する効果が生まれたと考えられるという。