「鳥らしさ」を生み出しているのは遺伝子ではなく、遺伝子の使い方を決める「制御配列」であることがわかりました。
鳥類は恐竜の一部から進化したとされていますが、羽毛やくちばしなど鳥らしい特徴をもつようになった仕組みについては詳しくわかっていません。
東北大などの研究チームは、ニワトリやツバメ、ペンギンなど48種類の鳥のゲノム配列を、ほかの動物9種類と比較して、鳥らしさをつくり出しているDNA配列を探しました。
その結果、鳥だけがもつDNA配列が多数特定されたが、その99%以上はタンパク質をつくり出さない配列であることがわかった。
つまり、鳥へと進化する過程において新しい遺伝子はほどんど獲得されておらず、むしろ遺伝子の使い方を変えたことが重要であることが明らかになった。
研究チームは、鳥に特有の制御配列「鳥エンハンサー」を発見した。例えば、飛翔に必須である「風切羽」がつくられる領域において、「Sim1」遺伝子を活性化する機能をもつエンハンサーを発見した。
また、この鳥エンハンサーは、尾羽がつくられる領域でも働いていること、恐竜が生きていた時代に獲得された可能性が高いこともわかった。