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血中PCB濃度と精子DNAのメチル化異常との関連を確認

環境由来の化学物質による精子異常について、DNAメチル化異常との関連が示されたと、東北大の研究グループが科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表しました。PCBによるメチル化異常が次世代の受精卵にまで伝達する可能性があるとしています。




精子と卵子が受精する際には、遺伝子の働きを制御するDNAの化学的修飾「エピジェネティクス」が重要であることが知られています。

研究グループは、不妊症患者の血中ポリ塩化ビフェニル(PCB)濃度とDNAメチル化異常の関連性を調べました。

その結果、血中PCB濃度と精子の形態的、機能的異常とは関連があり、さらに精子DNAのメチル化異常率とも関連性があることが判明しました。

また、メチル化異常のある精子を用いた体外受精では、異常のない精子と比べて妊娠率が減少することもわかりました。