突然ですが、腰痛に悩んでいませんか?デスクワークがメインのオフィスワーカーで腰痛持ちの人はけっこう多いようです。一日のうちで椅子に座っている時間が長い仕事だと、常に腰痛という強敵と戦わなければなりません。
椅子の高さやモニターの角度、座布団や背もたれの角度など変えてみたり、あるいは意識的に軽い運動やストレッチをしてみたり・・・いろいろ試してはみるものの、「長時間のデスクワーク」という根本的な原因をどうにかしなければ悩みは解消されません。
また、最近では長時間にわたって椅子に座り続けていると健康に悪影響を与えるといった研究結果も複数発表されています。
しかし、デスクワークそのものをやめるわけにはいきません。問題なのは長時間「座り続ける」ことの1点です。そこで、ここ数年よく耳にする「スタンディングデスク」というものについて考えてみます。
スタンディングデスクとは何か
スタンディングデスクとは、その名の通り「立ちながら作業するためのデスク」です。
もともとはパソコン作業がメインとなるIT系の企業で取り入れられたワークスタイルのようですが、デスクワークがメインとなる仕事はIT系だけとは限りません。このワークスタイル、どうやら思いのほかさまざまなメリットもあるようです。
スタンディングデスク(画像:Wired)
スタンディングデスクの効果とは
ずっと座りっぱなしでいると、どうしても腰のあたりが強張り、腰痛を引き起こします。なぜなら椅子に座ったときの姿勢それ自体が腰に無理な負荷をかけてしまうため、長時間座りっぱなしで作業を続けると必然的に腰痛を引き起こしてしまうからです。
また、長時間座っているとお尻の血の巡りが悪くなり、痔にもなりやすくなります。スタンディングデスクにすると、座ることによる腰への悪影響を根本的に解消するわけです。
そしてスタンディングデスクには、腰痛対策やお尻への負担を減らすことの他にもメリットがあるようです。
例えば、座りながら作業をするよりもスタンディングデスクのほうが集中力が向上し、作業効率が上がるといわれています。また、スタンディングデスクを使って勉強した生徒たちは、従来の机で勉強する生徒と比べて学習を意欲的に行うようになったという研究結果も発表されています。
また、1日に6時間座っていると死亡リスクが40%増大するというデータもあるようです。
さらに、デスクワーク中心の仕事をしている人は立ち仕事をする人と比べて心臓病になる確率が2倍になるといった報告もあります。他にも、座りっぱなしだと糖尿病リスクも上昇するなども。
こうしてみると、座ってていいことは一つもないようですね。
スタンディングデスクの導入
座りっぱなしでいいことは一つもないようですが、それでは、完全にスタンディングデスクにしてしまってよいものでしょうか。つまり、朝から仕事終わりまでオールスタンディングというわけです。
スタンディングデスクを試してみた人たちの感想をいろいろと調べてみると、どうやら、いきなりスタンディングスタイルに完全移行してしまうのも危険なようです。
というのも、スタンディングデスクはけっこう「体力的にハード」だからです。
確かに座りっぱなしに比べれば腰への負担はなくなりますが、そのぶん立ち続けるわけですから脚への負担は相当なものです。これは試さなくても想像できることではありますね。
座りっぱなしも立ちっぱなしも体への負担は大きいというわけです。そこで、普段のデスクのほかにスタンディングデスクのスペースも設けておき、両方を使用するのが体への負担を考えると一番よいのではないでしょうか。
スタンディングデスクは、専用のデスクもたくさん売られていますし、試すだけならまずはカラーボックスや段ボールなどを使って高さを変えて構築してみるのもよいでしょう。
カラーボックスで構築するスタンディングデスク(画像:AGBeat)
はじめからスタンディングデスクを購入するのではなくて、とりあえず、簡易のシステムを構築して数日間試してみてから、自分に合っているスタイルかどうかを判断してみるのもよいですね。
体に負担をかけないスタンディングデスクを構築するためには、自分に合った高さに調節する必要があります。
スタンディングデスクのスタイルを構築するポイントは、
(1)キーボードを置く位置を肘の高さに合わせること
(2)モニターの高さを目線からやや下側して、角度をわずかに傾けること
の2点です。実際に試してみて自然であればオーケーでしょう。
例えばAmazonでスタンディングデスクを探してみると、安いものだと数千円から、しっかりとした作りの本格的なものだと10万円を超えるものまで、さまざまなタイプのスタンディングデスクがあります。
(スタンディングデスク|Amazon)
PCスタンドを活用する方法もある
スタンディングデスクを新しく設置する方法のほかに、パソコンスタンドを活用してスタンディングデスクを構築する方法もあります。
高さが調節できるPCスタンド(画像:FitDesk)
普段使っているデスクの上にスタンドを設置して、ノートパソコンを置いて使用します。この方法だと、モニターの位置が少し下側に位置するので目線が下がってしまいますが、簡単にスタンディングスタイルが可能になります。
この方法だと、座ってデスクワークをする場所の他に特別にスタンディングデスクのスペースを設ける必要がなく、これまでのデスクで両方のスタイルで仕事ができるというメリットがあります。
午前中は椅子に座って作業をして、午後はスタンドをデスクに置いてスタンディングスタイルで。そして2時間くらいしたらスタンドを撤去して再び椅子でデスクワーク。こういったワークスタイルが簡単に可能になりますね。
PCスタンドだと、本格的なスタンディングデスクと違って2~3千円ほどの費用でもそこそこのものが手に入るので、すぐにでもスタンディングデスクが実践できそうです。(PCスタンド|Amazon)
例えば、LIBERTAのノートパソコンスタンドはわりとしっかりした作りのスタンドで、価格は2千円。高さを調節できるのと同時に台の傾きを変えることができます。また、マウステーブルまでついているので重宝しそうです。
LIBERTA ノートパソコンスタンド
¥ 2,000
A4サイズの大きいノートパソコンも利用可能。ワンプッシュで自由自在に360度角度調節ができて、取り外しが簡単なストッパーとマウステーブル付き。
長時間のデスクワークは腰痛や心臓病、糖尿病のリスクが増加すると言われています。完全にとは言わないまでも、部分的にスタンディングデスクを取り入れてみることは、健康のために必要なことかも知れません。