脳内で起こっている活動の様子をライブストリーミングできるシステムを南アフリカの大学の研究グループが開発しました。脳すらもIoT化される時代になるのでしょうか。
開発したのはWitwatersrand大学のグループ。脳活動をライブストリーミングするとはいったいどうことなのでしょうか。これはすなわち、インターネットを通じて脳波にアクセス可能になることを意味しています。
研究グループが開発したのは、脳波をアクセス可能なデジタル信号に変換するヘッドセットを用いたシステム。
このヘッドセットには、モバイル脳波計(EEG)が搭載されており、リアルタイムで脳波をデジタル信号にしてコンピューターに送信されます。この情報がウェブサイト上で確認することができるというシステム。
これは、脳波をインターネット上のポータルサイトを通じてアクセス可能になるという意味から、「ブレインターネット(Brainternet)」と呼ばれるとのこと。
脳波を信号化して送信するための脳波計についてはこれまでもすでに利用されています。今回のシステムにおいて新しいことは、脳の活動をリアルタイムでネットワークを通じてアクセス可能にするという点。
研究グループによると、開発したシステムが目指しているのは脳内での活動をインターネットを通じて双方向にやりとりする技術の確立だとしています。
将来的には、スマートフォンのアプリを通じて他の誰かの脳と直接やりとりすることができることになるという。しかし当然ながら、脳内の情報がインターネットを通じて外界に流出するするため、今まで以上にセキュリティーの問題が生じてくる可能性があります。
一方で、より現実的な応用としては、てんかん患者などの脳の状態に関するデータをライブストリーミングするなど、医療に関する技術になります。この場合は医師と患者が離れた場所にいるケースなどでもリアルタイムで診断ができるなど、さまざまなメリットが期待できそうです。