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抗がん剤の自動調製装置「アキュディスプ」を開発、ベテラン薬剤師の混ぜ方を再現 東北大

抗ガン剤の自動調整装置開発・東北大病院など

河北新報

 抗がん剤の調製作業を機械化した装置「Acu Disp(アキュディスプ)」を東北大病院が医療機器製造のユニバーサル技研と共同開発した。抗がん剤の調製で薬剤師に及ぼす健康被害のリスクを低減することができる。3月に発売される。

 開発された自動調製装置は幅55.6センチ、奥行き47.5センチ、高さ63.7センチで、従来の装置と比べて大幅に小型化された。装置にセットした生理食塩水と抗がん剤を抽出して混合する。接続したパソコンには60以上の処方箋情報が入っており自動で調製される。

 一般的な調製作業では、薬剤師がマスクと専用眼鏡、そして手袋を二重に着用して安全キャビネット内で行うが、漏れる薬剤を吸い込む危険性があった。これまで、日本とイタリアの企業がロボットアームを使った機械を開発したが価格が1億円と高額で、広い作業スペースも必要だったという。一方、アキュディスプは1台4千万円で通常の安全キャビネット内に設置して使用できる大きさ。ベテラン薬剤師の作業を分析して、薬剤ごとに異なる混ぜ方を再現しているという。

 東北大病院の真野成康薬剤部長は「煩雑な作業を減らすことで、薬剤師がより患者に向かえるようになる。医療費削減にもつながる」と話している。

 参考:河北新報