バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 4.29 Mon

細胞内の硝酸をリアルタイムで計測する「スヌーピー」法

NOセンサー

 細胞内の一酸化窒素(NO)のマーカーである硝酸・亜硝酸イオンをリアルタイムで計測する方法「スヌーピーsNOOOpy)」を開発したと、東北大の内田隆史教授らの研究グループが科学誌「Journal of Biological Chemistry」で発表した。NOに関係する疾患の薬剤開発や農作物栽培に役立つという。

 大豆と共生する根粒菌は硝酸と結合するタンパク質「NasS」をもっている。NasSは、タンパク質NasTと結合して複合体を形成するが、研究グループは、硝酸がNasSと結合すると複合体が解離することを発見した。

 スヌーピー法では、異なる蛍光色素で標識したNasSとNasTを細胞内で発現させる。これらのタンパク質間の結合の強さをFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)という蛍光の変化を測定して、細胞内での硝酸量の変化をリアルタイムで測定する。

 血管拡張作用があるNOは心臓発作などの循環器疾患やED、糖尿病、脳疾患など多くの疾患に関係することから、これらの疾患の薬剤開発への応用が期待されるという。

(via 東北大