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リン酸化糖鎖の新しい代謝機構を解明、細胞質「ENGase」が分解

 リン酸化された糖鎖の新しい代謝機構を解明したと、理化学研究所の鈴木匡チームリーダーらの研究グループが米科学誌「Journal of Biological Chemistry」で発表した。糖鎖分解の分子機構の全容解明につながると期待される。

 近年、糖タンパク質の分解がリソソーム以外の場所でも起こる「糖鎖の非リソソーム分解機構」の存在が明らかになってきたが、その仕組みはよく分かっていない。

 アスパラギン酸残基に糖鎖が付加したN型糖鎖は、ドリコールピロリン酸と呼ばれる脂質上に結合した状態で存在する。この「ドリコール結合型糖鎖」は分解されて「リン酸化糖鎖」を生じる。

 研究グループは、非リソソーム分解機構に関与する細胞質「エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)」の欠損細胞でリン酸化糖鎖が蓄積することを発見した。

 また、ENGaseがリン酸化糖鎖を分解すること、その基質特異性がENGase欠損細胞で蓄積するリン酸化糖鎖の構造と一致することを明らかにした。

(via 理化学研究所