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iPS細胞を1週間で神経細胞に分化できるmRNAカクテルを開発

ヒトES細胞やiPS細胞を、1週間で90%以上の高効率で神経細胞に分化する方法を開発したと、慶應義塾大の研究グループが科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表しました。「細胞分化カクテル」を細胞に加えるだけで神経細胞を作製できるという。




新しく開発した細胞分化カプセルには、神経細胞の遺伝子調節に関わる5つの転写因子のmRNAが含まれています。

培養から1週間目には、培養皿上の細胞の90%以上で神経突起のネットワークが形成され、電気刺激に対して反応する機能も確認されました。

また、運動神経に特異的なマーカーも発現していることから、運動神経への分化が示されたとしています。

従来のDNAを使って遺伝子導入する方法と違って、mRNAのカクテルを細胞内に導入することでゲノムDNAを傷つけずにすみ、より安全性が高いという。

安全性が高く量産が可能であることから、細胞移植に用いる神経細胞の作製に使うほか、薬のスクリーニングなどへの活用も期待されるとしています。