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ライ麦の成分にショウジョウバエの寿命延長効果、地中海食の有用性を裏付け

ライ麦やコムギなどの種子外皮に含まれる成分が老化抑制に関わるタンパク質を活性化することがわかったと、東京工科大の研究グループが発表しました。地中海食の有用性を裏付ける証拠の一つになるとしています。

「地中海式ダイエット」として注目されるギリシアのクレタ島や南伊太利の伝統的な食事には、コムギ外皮のフスマやライ麦外皮が含まれます。

これらは繊維質が豊富で健康食として有用とされていますが、どのような成分が効果を示すかはわかっていません。

研究グループは、ライ麦や小麦などの種子外皮に含まれる成分「アルキルレゾルシノール」をショウジョウバエに摂取させたところ、雌雄に関係なく平均寿命が22%ほど延長することがわかりました。

これは、人の平均寿命を80歳とした場合に100歳まで延長したことに相当します。

一方、ぶどう種子に含まれる成分「レスベラトロール」もオスのショウジョウバエには効果を示しましたが、メスに対してはほどんど効果がありませんでした。

また、老化抑制や生命維持に重要とされる「サーチュイン」を欠損したショウジョウバエではアルキルレゾルシノールによる寿命延長効果がみられないことから、この効果はサーチュインに関係することがわかりました。

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