バイオ研究を紹介するネットメディア 10.17 Thu

個人識別や知能レベルもわかる「脳マップ」とは何か

脳

 脳の活動パターンを表す「脳マップ」というものを研究しているグループがあるようです。脳マップは人間個人によって特有のもので、指紋のように個人を特定できるほどだという。しかし、悪用のおそれも指摘されています。いったいどのようなものなのでしょうか。

 人間の脳のマッピング「脳マップ」を研究しているのはイェール大学の神経科学の研究グループで、研究結果は「Nature Neuroscience」に発表されました。

 研究グループは、「Human Connectome Project」という研究プロジェクトに参加する126人の被験者たちの脳活動について、fMRIを用いて記録しました。脳内の重要な268カ所の重要な領域について調べました。特定の作業中にどの部位が活性化するかをマップ上に表示したという。

脳マップ

 この脳マップは、別の日に再び同じようにデータを集めて作成しても、90%の確率で126人の中から被験者を識別できるほど、個人に特有のパターンを示したそうです。

 さらに、このマップを分析すると、その人がどのくらいの知能をもっている可能性が高いのか、あるいはどのくらい依存症になりやすいのかなどの計算が可能なほど精密だという。

 このように脳マップは有用性を秘めている一方で、悪用されるおそれも指摘されています。このマップから得られる情報は、ある面において「好ましくない」認知特性をもつ人々を差別する目的で使用される可能性があるからです。

 例えば、脳マップの情報が入手できると、学校や企業が特定の認知基準を満たしていないと思われる志願者を拒絶することも考えられるからです。

 今後さらに研究が進み、実際に脳マップを何らかの目的に適用可能になるまで正確性が向上したとしても、さまざまな倫理的問題が浮上するおそれがあります。近年、精密かつ迅速に遺伝情報が解析可能になったことで、さまざまな倫理的課題が発生してきたのと同じように。

(via WIRED

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