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お好み焼き粉で急性アレルギー反応、原因は粉ではなく「ダニ」だった?

アレルギー

開封後に常温で保存していた「お好み焼き粉」を使った料理を食べて、アレルギーを発症して救急搬送される事例が発生しているそうです。ただしアレルギーの原因となったのは粉ではなく、粉の中で繁殖した「ダニ」だという。




昨年の春、北海道の札幌徳洲会病院に7歳の男児が救急搬送されました。喘息に似た息づかい、顔のむくみ、発疹などの症状から、担当した男性医師はすぐに「ダニが原因のアナフィラキシー」だと診断しました。

男児は家でカレーを食べたそうですが、食べ物アレルギーはなかったという。カレーには「お好み焼き粉」を隠し味として加えましたが、この粉が問題でした。開封後に戸棚で常温保存していましたが、賞味期限から2年もたっていた。

原因となったのは、お好み焼き粉のなかで繁殖していた「コナヒョウダニ」でした。

コナヒョウダニ

このダニは人間のアカを食べますが、お好み焼き粉にはでんぷんやタンパク質が豊富に含まれます。とくに「うま味成分」を好むことから、ダニにとっては最高の餌になったことでしょう。袋をしばって保存していても、わずかな隙間から侵入します。とくに、湿度の高い場所で増えやすいという。

粉製品に入り込んだダニが繁殖してアレルギー症状を引き起こす事例ははじめてではありません。1993年に米国ではじめて報告されました。「パンケーキ症候群」と呼ばれ、発疹やじんましん、かゆみ、下痢、嘔吐などの症状が出るという。

北海道立衛生研究所によると2013年以降、同じようなケースでのコナヒョウダニの検査依頼は5件あったという。比較的、湿度が低く涼しい北海道でも発生していることから、より温暖な地方ではさらに多くの事例が起きている可能性があります。

同研究所の伊東拓也主査によると、開封後はなるべく早く使い切ること、そして湿度が低い冷蔵庫で保存すべきだとしています。

(via 北海道新聞