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「同じ量を分ける」か「同じ量になるように分ける」か、どちらの平等を選ぶ?

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ある特定の量の物資があるとき、それらを複数の人々に分配するにはどうすればよいのか。ほとんどの人たちは「平等に」分配するのがよいと考えていますが、ところで「平等」とはどういう意味での平等なのでしょうか。




たとえば大規模な災害が発生したときに、食料や水その他の物資が避難所に届きます。それらを被災者に分配するとき、一律に同じ量を配布すべきでしょうか。

現実の状況を考えたとき、全員が何ももっていない状態から始まる状況は実はあまりなく一部の人たちは何らかの物資をある程度手にしている状態で行われることが多いものです。

近年は、災害が発生したときに備えてある程度の「備蓄」をしている人が増えています。しかし備蓄している量については人によって違うし、一切の備蓄をしていない人もいます。

そのような状況で災害が発生した場合、果たして外部から届いた物資を一律に同じ量をすべての人に分配するのが平等なのでしょうか。

このような「平等に対する考え方」の問題を神戸大の研究グループが実験しています。

同じ量をもらうか、同じ量になるようにもらうか

研究グループは、幼児24人と大学生34人を対象として、参加者と人形2体の間でビー玉の分配方法についての実験を行いました。

事前に持っているビー玉の量を変えたりするなど条件を変えながら実施して、全員が同じだけもらうのと、最終的に持っている量が同じになるように分けるのと、どちらがよいかを選んでもらいました。

その結果、半分以上の人が「持っている量が同じになる」分配方法を選ぶことがわかりました。研究グループによると、多くの人々は「平等な分配」」というとき、持っている量が同じになるように分配する方法を好むことが明らかになったとしています。

ただ単に「平等」と言ってもさまざまな意味の平等があります。行政やコミュニティなどが物資を分配するとき、分配方法についてはこのような平等に対する考え方を加味して、説得力を持つ説明を用意する必要があるようです。

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