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記憶は残っている　健忘マウスの記憶を取り戻す実験に成功

2015年5月29日　バイオニュース／動物，ニュース，

　健忘状態にしたマウスの特定の細胞群を活性化して、体験を思い出させることに成功したと、理化学研究所の利根川進センター長らの研究チームが２９日付の米科学誌Scienceで発表した。アルツハイマー病などの治療法の開発にもつながる可能性があるという。

　脳には、不安定な記憶を固定化して長期的に蓄えるプロセスがあるが、その際には「記憶痕跡」と呼ばれる神経細胞群の細胞どうしのつながりを強めるシナプス増強が欠かせないという。

　研究グループは、マウスを小箱に入れて弱い電気刺激による恐怖体験を経験させ、薬剤によってシナプス増強が起こらない「健忘状態」にした。

　通常のマウスでは同じ小箱に入れると恐怖体験を思い出して身をすくませるが、健忘マウスではすくまなかった。ところが、健忘マウスの「記憶痕跡」の細胞群を人工的に活性化させると、恐怖体験を思い出してすくむことがわかった。シナプス増強が起こらなくても、「記憶痕跡」の細胞群に記憶が保存されていることを示しているという。

参考：47NEWS/朝日新聞

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