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光照射するだけで大腸菌を凝集させて回収できる技術の開発に成功

 特定の波長の光を照射して大腸菌を凝集させて沈殿回収する技術を開発したと、東京農工大の早出広司教授らの研究グループが英科学誌「Microbial Cell Factories」で発表した。有用物質を生産させた菌体を容易に回収するなど、新しいバイオプロセスへの応用が期待される。

 研究グループはこれまで、緑色光を照射してシアノバクテリアの遺伝子発現制御を行うシステムの開発を行ってきた。

 今回はこの技術を用いて、培養液に緑色光を照射すると細胞凝集タンパク質の一種「Antigen43」が大腸菌内で発現するシステムを構築した。

 Antigen43は大腸菌の細胞表面に輸送されてお互いを認識して結合する。そのため、大腸菌が自己凝集を起こして沈殿し、培養液を放置するだけで簡単に菌体を回収することが可能となった。

(via JST