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道具を使うカラスの「くちばし」は適した形態に進化している

 道具を使う特殊なカラスについて、くちばしが道具使用に適した形態に進化していると、慶應義塾大の伊澤栄一准教授らの研究グループが科学誌「Scientific Reports」で発表した。

 ニューカレドニアに生息するカレドニアガラスは、鉤爪状に整えた小枝などをくちばしでくわえ、木などに潜んでいる虫を捕る、動物では稀な「道具を作って使う」カラス。

 研究グループは、さまざまなカラス類のくちばしの3次元形態を解析して、カレドニアガラスのくちばしが道具の使用に適した特殊な形態に進化していることを発見した。

 このカラスのくちばしは、下のくちばしが「しゃくれ」上がっており、ベンチのように平面と平面で小枝をプレスでき、道具を強く握るのに非常に適した形になっていた。

 一般的にヒトが道具を作ったり使ったりするための進化には、それに適した手の形態が背景にあると考えられていたが、今回の発見はヒト以外の動物で初めての類似報告だという。

参考:慶應義塾大学