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ヒト培養細胞で特定のタンパク質を素早く分解除去するシステムを開発

 ヒト培養細胞で特定のタンパク質を素早く分解除去する方法を開発したと、国立遺伝学研究所の鐘巻将人准教授らの研究グループが科学誌「Cell Reports」で発表した。これまでモデル生物でしかできなかった遺伝学研究がヒト細胞でもできるようになるという。

 研究グループは2009年、動物細胞の特定のタンパク質を分解除去する「AID法」というシステムを開発した。今回は「ゲノム編集」技術を応用してこのシステムをヒト細胞に導入した。

 この手法を使うと、これまで数日が必要だったタンパク質の分解除去が1時間程度で可能になり、細胞分裂や増殖などの細胞の基本現象に与える影響を直接観察することができる。

 また、分解除去のタイミングも自由に設定できるため、今までは困難だった生存に不可欠な「必須遺伝子」の機能解析が可能になるという。

参考:JST