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受診中断する糖尿病患者を電子カルテから予測、AIでモデル構築

糖尿病患者の電子カルテデータから、治療の途中で受診を中断してしまう患者を予測できるシステムをAIを使って構築したと、東京大の大江和彦教授らの研究グループとNTTが発表しました。




糖尿病の患者は増加傾向にあり、2014年の患者数は316万人に達しているという。

糖尿病は進行すると合併症などを引き起こすおそれがあるため、治療を継続する必要がります。

しかし、糖尿病の外来患者のおよそ1割が受診を中断してしまい、病態が悪化してから受診を再開するケースが問題となっています。

そこで、研究グループは、電子カルテのデータから受診を中断する患者を予測するシステムを、人工知能を使って構築しました。

東京大の医療データ分析や患者指導などに関するデータとNTTのAI技術「corevo」を使って、モデルを構築しました。

東京大病院に糖尿病の治療で通院する患者900名の電子カルテデータを使ってモデルを評価したところ、およそ7割の精度で受診を中断する患者を予測できることがわかりました。

このモデルを使って受診中断をするおそれのある患者を予測することで、医師による患者への効率的な介入を支援することが可能になります。