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日本人の2型糖尿病に関わる遺伝子領域を新たに7つ発見

 日本人を対象としたゲノムワイド関連解析(GWAS)によって、2型糖尿病の発症に関わる「疾患感受性遺伝子領域」を新たに7つ同定したと、理化学研究所などの研究チームが英科学誌「Nature Communications」で発表した。新たな治療薬の開発につながると期待される。

 2型糖尿病は、生活習慣とともに遺伝要因も発症に関与することが知られている。これまでGWASによって80以上の疾患感受性遺伝子領域が発見されているが、その多くは欧米人を対象としたものだった。

 研究チームは、日本人集団のみでの2型糖尿病GWASとしては最大規模となる4万人を対象とした解析を実施した。別の日本人集団約1万3千人のゲノムによる検証解析を経て、新たに7つの遺伝子領域を同定した。

 約22万人の外国人のゲノムを用いて関連を検証したところ、日本人集団で同定された7領域のうち5領域で、外国人でも疾患感受性との関連が再現された。

 また、同定された7領域について創薬データベースを調べたところ、他の病気の治療薬のターゲットとなっているものが複数あることがわかった。

(via 理化学研究所